「翼の向こう」製作秘話

曲を作るにあたって、こんなことを考えてました。


Trk.01 朝影
 まずは序曲から。あのタイトル画面、一度誰かのシナリオをこなしてから見ると、感深いものがあります。
自分の場合は舞先輩シナリオを一番はじめに解いたんですが、その後に見たあの雪景色は良かったですね〜
いや、こういう感じにさせてくれるオープニングって、他のゲームであったでしょうか?(^^;

序曲だろ?と頭をひねった結果、こうなりました。フルートの音色は88Proまんまです。
でも、実際この音色、気に入ってます。透き通る味があって。それから木管の重なり、バックのホルンと、オーケストラ色を出そうと必死になってます(^^;

Trk.02 日溜まりの街
いや、最初のあゆのイメージって、「変な奴」だったんですわ。普通のシナリオさんはメインヒロインの登場に「食い逃げ」っつーシチュエーション持ってきます?しかもあゆ語使うし。「うぐぅ」って何さ、って。
これ、今なら惜しげも無く発音できますが、普通は出来ないっすよ。だってうぐぅだよ?うぐぅも休み休み言えって良く言うでしょう?(笑)

・・・他にもうぐぅの顔も3度までとか、泣きっ面にうぐぅとか、うぐぅを笑うものはうぐぅに泣くとか。
・・・うぐぅ。

個人的には包丁持って真剣な顔つきで唸ってるあゆが一番ほほえましくて良いですね〜。
次は映画館のシーンかな。あの口癖に慣れれば楽しい奴ですよ、あゆって。

曲のほうは、Trk02ということもあって、まずはジャブから、という感じ(^^;
後ろで鳴ってる後拍4分のストリングスはもはやお約束(^^;。それだけじゃ何だろ〜、ということで挿入してみたのがあのエレキギターのバッキングだったわけで。「あ、コレTo Heartやん」となって、見事ああなりました。
この曲を作っている最中、神岸あかりシナリオをめっちゃやりたくなったのは基本中の基本でしょう(笑)

Trk.03 雪の少女
こいつもなー。あれ、反則です。あのあれ。「・・・・くー」って寝ちまうあの顔!あぁもう反則すぎ!無敵ッスよ名雪ってぇ奴は!
それでいてメインヒロインかと思いつつ、「・・あれ?そういやパッケージイラストはあゆだったよな?」って。ま、話の大きさはそうなんですけど。普通の恋愛シュミレーションや度アドベンチャーだったら間違いなくヒロインですわな。
・・・・それはそうと、私の本名が「ゆうじ」ってんですよ。ほら、「祐一」とかすってるでしょ?結構恥ずかしくてくすぐったいんですよね。
同じ事はさおりんにも言えました。「ゆうくん」って・・・・あぁぁぁもぉ。
おれに今度STUDIO B-ROOMから出る恋愛式ビジュアルノベルの主人公はそのままゆうじって名前らしいです。あぁぁぁぁぁぁもうっっ!(爆)

はじめて曲を途中まで書いて没にした曲。そんなこんなでビッグバンドジャズ調になりました。
Trk.01,03,05,06は冬コミの暫定版がお披露目だったんですが、この「雪の少女」はその中でも好評をいただいたみたいなんでほっとしてたりします。
でも、今この曲を打ちこめと言われても無理でしょう。そこまで短期間に萌えまくって作り上げた曲です。

Trk.04 the fox and the grapes
真琴。うーん、あの登場シーンからこういう展開に繋がるかー、というのが率直な感想ですが・・・
ギャップが大きいんですよ〜。キャラクター紹介なんか見てても、こりゃぁどシリアスなシナリオかなぁ、と思ってしまうわけではないですか(^^;。
実は真琴の正体は・・・なわけで、それなら何とか「命を狙う憎いいたずら」も判るんですけど、ちょっと抵抗がありました。だって恨んでんだろ?それでいていたずら程度で済んじまうんかい?って(^^;
・・・自分は熱しやすく冷めやすいタイプなんで、じわじわと痛めつけられるような、こういうシナリオはちょいと肌に合わなかったりもします。

・・・ということで、緊張感が欲しかったな〜という感情が曲に出ています。楽器構成がギター、アルトサックス、ピアノ、ベース、ドラム・・・・全然女の子らしい柔らかい音色が無い(激汗)
音楽的に自分の趣味丸出しな曲です。
でも、ギターって難しい・・・本物を弾いている人からすれば「嘘つきー!」といわれるでしょうね、コレ(爆)

Trk.05 約束
Kanonという作品で、耳に残るフレーズのうちの一つではないでしょうか。あのモノローグは、さすがに唸らされました。
夢と現実と約束と。全てが繋がりそうで、でも手に感じるけど見えることは無い。そんな感じにさせてくれます。

曲のほうは、トラック間の繋ぎです。はい。今までキャラクターで攻めて、ここからはストーリーで攻めようかと。
ピアノとアコースティックギターだけですが、どうでしょうか。

Trk.06 pure snows
いや、Kanonって名曲が多いです。中にはアレンジ出来ない、どうやっても原曲に手をつけられないものも。
この曲も、どんどん話がシリアスになっていく段階で流れる曲のうちの一つなんですが、どうやったらイメージ崩さずにやれるかな、と悩みに悩んだ覚えがあります。

で、構成は「Danceボード手に入れたよ記念(爆)」
前半部の「夢」と、後半部の「迫り来る現実」。イメージはこうですね。
紙袋氏から、「これってソー○リアン?」ってツッコミを受けたフレーズがあったり。ごめんよ、ファルコム世代なんだよ、お互いにね(笑)
最後に鳴ってるあの音ですが、これもそういうイメージから出たもので、決して猫の鳴き声にエフェクトかけて入れた訳ではありません。
・・・いや、実際そう聞こえた方がいらっしゃいまして・・・(汗

ここまで書いてて、ふと気づいたこと。あれ?今まで折戸さんとOdiさんの曲しか無いぞぉ?(爆)

Trk.07 兆し 〜 少女の檻
一言でいいですか?
この曲に、舞の全てを入れたつもりです。
・・・それで済むんですが。どうですか?だめですか?

ここからはオーケストラ。「狂詩曲」とでもいうのかな、これって(汗
構成は「魔物」「舞」「剣戟」「泣いている舞」となります。
曲のほうは自分的に大満足なんですが。レコーディング技術の無さが露呈した曲でもあります。
いや、オーケストラ調アレンジでは、-70〜-80dB付近のノイズも死活問題ですし。これはまた。
これから出す曲は、そちらもグレードアップしていきたいです。

Trk.08 残光 〜 生まれたての風
この曲を舞せんぱいシナリオで聴いたとき、すんごく感動した覚えがあります。映画の1シーンって感じで。この演出はさすがというかなんというか。唸ってしまいましたよ。
ほんとうにもう、絶妙のタイミングでストリングスが響いてくれるんです。うわぁ・・・・って。純粋に心に響いてくる。そんな感じです。
で、生まれたての風。ゲーム自体が全然18禁シーンを重視してないんで、あまり流れる時間の少ない曲ですが。でも手を出してみました。
・・・でもね〜。もっと18禁なシーンを書きこんでも良いとは思うんですよ〜。せっかく18禁にしてるんだから、それでしか出来ない事ってあるからさ〜。
せっかく肌を触れ合わせて、温もりをもらって、ヒロインを感じ取れる場面なんだからさ、って思う俺ってやっぱり18歳以上なんですよね。というか四半世紀男・・・(汗

曲のほうは、えーと、繋ぎに苦労してます(激汗
どうやってもこのストリングスの伸びのある原曲を曲げられなくて、こうなってしまいました。
この曲もオーボエふんだんに使ってますね〜。癖ですね、こうなると。

Trk.09 夢の跡
「ぼくのこと、忘れてください・・・・」
この一言を表現したくて、本当に表現したくて、このアレンジをしたんですが。
思いのどれくらいをぶつけられたか判らないです。
全18禁ゲームの中でも、本当に忘れられない1シーンです。これは体験して、あゆ萌え〜ッ!な方々ならそうでしょう(^^;

3トラック、オーケストラアレンジが続くので、こういう曲が肌に合わない方々はきつかったかもしれません。
でも、自分が好きなジャンルで、そのお陰で一番表現が出やすいのがオーケストラ調な曲なんで、こうなってます。
そしてこのCDはフィナーレを迎えます。萌えと音楽のコラボレーション。少しでも何かが伝われば幸いです。

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